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ホワイトゴールドの謎

「ホワイトゴールドは色が白いから高いのですよね?」

 

と、お客様にいわれた。

 

一瞬、何を聞かれているのかわからなかったが、この方は、「白い金」「赤い金」「普通の金」という元素があると思っていたようなのであった。

 

一般にジュエリーとして加工される「ゴールド」は「合金」である。

 

原子番号79、元素記号AUは、いわゆる「純金」であり、そのままではやわらかすぎる、コスト高等、の理由により、銀と銅と混ぜられ、「ジュエリーゴールド」となる。

 

この際、いわゆる18金というのは、そのうち24分の18(75%)が純金である、という意味で、14金は24分の14(58、5%)、8金になると、純金の割合は33、3%。

(3分の1しか金がはいっていないものを、はたして「ゴールド」とよんで良いものか。%からいうと銀が一番多いはずなので、「イエローシルバー」としたほうが正しいのではないか、などと考える事も屡々であるが、、、、、。)

 

この銀と銅のミックスのバランスで、銅が多いと、それぞれピンクゴールド、レッドゴールド、となるわけである。

 

となると、ホワイトゴールドはなぜ白いのか。

 

ホワイトゴールドも、イエローゴールドと同じ合金なのであるが、銀、銅の他に4つめの元素が加わる。

 

それは、元素番号46、パラジウムという金属。

 

白金族の一員、これが白さの素、だ。

 

このパラジウム、プラチナと共に値上がりし、そのおかげでホワイトゴールドは他のゴールドにくらべてお値段がはるようになってしまった、というわけ。

(そう考えるとこのお客様の、「白いから高い」というのは、まったく的を得ていないわけではない。)

 

しかし、どんなにパラジウムを配合して「白くする」といっても、75%は黄金色の金なわけであるから、うっすら黄色みがかっているグレー、というのが本来のホワイトゴールドの色。

 

「本来の」と書いたのは、市場に出回っているホワイトゴールドのジュエリーのほとんどが、「ロジウムメッキ」の処理をされているからなのだ。

 

そう、あの白い色は、ホワイトゴールドの色ではなく、原子番号45、これまた同じく白金族のひとり、ロジウムの色なのである。

 

「それって、詐欺のようなものじゃないですか!」

 

と、そのお客様は憤慨していたが、実際ほとんどのホワイトゴールドジュエリーはロジウムメッキされているのが事実なのだからどうしようもない。

(しかし詐欺ではないにしろ、このことは、もう少し明確に消費者側説明されるべきだと思うが。)

 

そんな本来の色を「隠す」ということに基本的に共感できない私は、個人的に自分のコレクションでホワイトゴールドを使用する際には「メッキなし」の自然加工にしている。

 

もちろん、オーダーで、「どうしても」という場合には(他のホワイトゴールドの色にあわせる為、等)ロジウムメッキをするが、そのときにいつも少しだけ気の毒になる。

 

本当はありのままの自分を愛してもらいたいのかな、と。

 

ホワイトゴールドだって、

「プラチナのように白くなくたっていいよ、そのままでいいよ。」

こういってもらいたいのかもしれない。

 

おわり

 

注 プラチナは白金とはいわれるものの、金ではない。プラチナ、ロジウム、パラジウムが属する、白金族にも金はふくまれない。この話はまたの機会に。