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ルーマニア記 11

大型バスにのって、会場入りだ。

 

そう。ガラスが全部黒くてなかがみえないようになっている例のバスで、である。

(いや~、かなりスターっぽいね!)

 

オープンエア会場はブカレストの中心街にあって、会場付近はものすごいひとだかりだ。

そのそばをバスで通ると、人々が歓声をあげてこちらに手をふっている。

 

すごい、、、、。熱気に圧倒される。

 

たぶんみんな、バスのなかには有名なロックスターがのっていると思っているのだろう。

(中はもちろんみえないからね)

 

残念ながら、なかにいるのは私なんだな、、、、と少し申し訳ない気持ちになりながらも、狂ったようにこちらに手をふっている人たちに手をふりかえしてみたりする。

(って、むこうにはみえないんだけどね)

 

会場の裏口付近ではもっとすごいことになっていて、バスが前に進めない。

バスのまわりにどんどん人が寄ってきて、いまにもバスにのりこんできそうな勢いである。

ここまでくると、すごい、というより怖い。

 

ファンの包囲により立ち往生しているバスのなかで、

「やあ!」

なんていって私が窓からひょっこり顔をだしたらこの人たち、がっかりしてすぐみちをあけてくれるだろうに、、、なんて思いながらも、ノロノロとバスは裏口を通過し会場内へ。

 

ステージの裏の専用の楽屋で待機することになったが、中に入ると、あらゆるところにコカコーラ。

 

テーブルの上にも下にも横にも、2リットルの赤いペットボトルがならんでいる。

(だれがこれ全部飲むんだ!)

 

たしかに、このロックフェスティバルのスポンサ-がコカコーラなのだけれど、はっきりいって、ルーマニアについたときからコーラばっかり飲まされている我 々にとっては、なにか他のものも飲みたい、、、と思っていたりするところなのである。

 

しかし、そんな(小さな)願いをあざ笑うかのように、楽屋に用意されていたのは見事にコーラのみなのであった。

 

我々の前に7つバンドが出演することになっていて、我々の番がまわってくるのは8、9時ごろ。

 

ただでさえ、緊張と興奮が高まってきているうえに、コーラなんて飲まされて、かわいそうに私の心臓は落ち着く暇もなく、血糖値も無意味に高くなってしまった。

 

つづく